デザインパターン23種

「プログラミング」及び「開発」関連用語集

カテゴリー: デザインパターン  閲覧数:333 配信日:2018-07-24 09:11


主要な23種


GoF本では、23個のデザインパターンの目的を、次の3つのカテゴリに分類
・オブジェクトの生成に関するパターン
・プログラムの構造に関するパターン
・オブジェクトの振る舞いに関するパターン

オブジェクト生成に関するパターン

1 AbstractFactory 関連する部品を生成するファクトリごと切り替える
・関連する一連のインスタンスを状況に応じて、適切に生成する方法を提供する
・互いに関連したり依存し合うオブジェクト群を、その具象クラスを明確にせず生成するためのインタフェースを提供
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2 Builder 複雑なオブジェクトを生成する
・複合化されたインスタンスの生成過程を隠蔽する
・複合オブジェクトについて、その作成過程を表現形式に依存しないものにすることにより、同じ作成過程で異なる表現形式のオブジェクトを生成できるようにする
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3 FactoryMethod 子クラスのメソッドにインスタンスの生成方法をまかせる
・実際に生成されるインスタンスに依存しない、インスタンスの生成方法を提供する
・オブジェクトを生成するときのインタフェースだけを規定して、実際にどのクラスをインスタンス化するかは子クラスが決めるようにする。インスタンス化を子クラスに任せる
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4 Prototype コピーしてインスタンスを生成する
・同様のインスタンスを生成するために、原型のインスタンスを複製する
・生成すべきオブジェクトの種類を原型となるインスタンスを使って明確にし、それをコピーすることで新たなオブジェクトの生成を行う
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5 Singleton 生成するインスタンスを1個に制限する
・あるクラスに対してインスタンスが1つしか存在しないことを保証し、それにアクセスするためのグローバルな方法を提供
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プログラムの構造に関するパターン

6 Adapter インタフェースが一致しないクラスを再利用する
・元々関連性のない2つのクラスを接続するクラスを作る
・あるクラスのインタフェースを、クライアントが求める他のインタフェースへ変換する。インタフェースに互換性のないクラス同士を組み合わせることができるようにする
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7 Bridge 機能と実装の階層を分離し、拡張を別々に行う
・抽出されたクラスと実装を分離して、それらを独立に変更できるようにする
・クラスなどの実装と、呼出し側の間の橋渡しをするクラスを用意し、実装を隠蔽する
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8 Composite 元になるオブジェクトを包み込んで機能を拡張する
・再帰的な構造を表現する
・部分-全体階層を表現するために、オブジェクトを木構造に組み立てる。クライアントは、個々のオブジェクトとオブジェクトを合成したものを一様に扱うことができるようになる
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9 Decorator 元になるオブジェクトを包み込んで機能を拡張する
・あるインスタンスに対し、動的に付加機能を追加する。Filterとも呼ばれる
・オブジェクトに責任を動的に追加する。子クラス化よりも柔軟な機能拡張方法を提供する
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10 Facade 複雑な処理を呼び出すシンプルな入り口を提供する
・複数のサブシステムの窓口となる共通のインタフェースを提供する
・サブシステム内に存在する複数のインタフェースに1つの統一インタフェースを与える
・サブシステムの利用を容易にするための高レベルインタフェースを定義する
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11 Flyweight インスタンスを共有して、インスタンスの生成コスト・使用メモリを抑える
・多数のインスタンスを共有し、インスタンスの構築のための負荷を減らす
・多数の細かいオブジェクトを効率よくサポートするために共有を利用する
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12 Proxy 代理(プロキシ)を用意してインスタンスの生成やアクセス制限をコントロールする
・あるオブジェクトへのアクセスを制御するために、そのオブジェクトの代理、または入れ物を提供
・共通のインタフェースを持つインスタンスを内包し、利用者からのアクセスを代理する。Wrapperとも呼ばれる
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オブジェクトの振る舞いに関するパターン

13 ChainOfResponsibility 処理を順番にたらい回す
・イベントの送受信を行う複数のオブジェクトを鎖状につなぎ、それらの間をイベントが渡されてゆくようにする
・1つ以上のオブジェクトに要求を処理する機会を与えることにより、要求を送信するオブジェクトと受信するオブジェクトの結合を避ける。受信する複数のオブジェクトをチェーン状につなぎ、あるオブジェクトがその要求を処理するまで、そのチェーンに沿って要求を渡していく
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14 Command 命令そのものをオブジェクトとして扱う
・複数の異なる操作について、それぞれに対応するオブジェクトを用意し、オブジェクトを切り替えることで、操作の切替えを実現する
・要求をオブジェクトとしてカプセル化することによって、異なる要求や、要求からなるキューやログにより、クライアントをパラメータ化する。また、取り消し可能なオペレーションをサポートする
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15 Interpreter 構文解析の結果を表現するクラスを定義する
・構文解析のために、文法規則を反映するクラス構造を作る
・言語に対して、文法表現と、それを使用して文を解釈するインタプリタを一緒に定義する
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16 Iterator 複数のオブジェクトに順番にアクセスする
・集約オブジェクトが基にある内部表現を公開せずに、その要素に順にアクセスする方法を提供する
・複数の要素を内包するオブジェクトのすべての要素に対して、順番にアクセスする方法を提供する。反復子。
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17 Mediator 複数のオブジェクトを集中管理する
・オブジェクト間の相互作用を仲介するオブジェクトを定義し、オブジェクト間の結合度を低くする
・オブジェクト群の相互作用をカプセル化するオブジェクトを定義する。オブジェクト同士がお互いに明示的に参照し合うことがないようにして、結合度を低めることを促進する。それにより、オブジェクトの相互作用を独立に変えることができるようになる
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18 Memento オブジェクトの状態を保管して復元可能にする
・データ構造に対する一連の操作のそれぞれを記録しておき、以前の状態の復帰または操作の再現が行えるようにする
・カプセル化を破壊せずに、オブジェクトの内部状態を捉えて外面化しておき、オブジェクトを後にこの状態に戻すことができるようにする
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19 Observer オブジェクトの状態変化を通知する
・インスタンスの変化を他のインスタンスから監視できるようにする。Listenerとも呼ばれる
・あるオブジェクトが状態を変えたときに、それに依存するすべてのオブジェクトに自動的にそのことが知らされ、また、それらが更新されるように、オブジェクト間に一対多の依存関係を定義する
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20 State 状態に応じて処理内容を切り替える
・オブジェクトの状態を変化させることで、処理内容を変えられるようにする
・オブジェクトの内部状態が変化したときに、オブジェクトが振る舞いを変えるようにする
・クラス内では振る舞いの変化を記述せず、状態を表すオブジェクトを導入することでこれを実現する
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21 Strategy アルゴリズムを交換可能にする
・データ構造に対して適用する一連のアルゴリズムをカプセル化し、アルゴリズムの切替えを容易にする
・アルゴリズムの集合を定義し、各アルゴリズムをカプセル化して、それらを変換可能にする。アルゴリズムを、それを利用するクライアントからは独立に変更することができるようになる
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22 TemplateMethod 一連の処理の一部をサブクラスで実装し、変更可能とする
・あるアルゴリズムの途中経過で必要な処理を抽象メソッドに委ね、その実装を変えることで処理が変えられるようにする
・1つのオペレーションにアルゴリズムのスケルトンを定義しておき、その中のいくつかのステップについては、子クラスでの定義に任せることにする。アルゴリズムの構造を変えずに、アルゴリズム中のあるステップを子クラスで定義する
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23 Visitor 複数のオブジェクトを渡り歩く処理を追加・変更する
・データ構造を保持するクラスと、それに対して処理を行うクラスを分離する
・あるオブジェクトを構造上の要素で実行されるオペレーションを表現する。オペレーションを加えるオブジェクトのクラスに変更を加えずに、新しいオペレーションを定義することができるようになる
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