ベクトル空間の公理

「プログラミング」及び「開発」関連用語集

カテゴリー: 数学  閲覧数:582 配信日:2018-08-06 10:12


集合 V に対して次の演算を導入する


ベクトル加法
・Vの任意の元a、bに対して、a+b ∈V

スカラー乗法
・ Vの任意の元a と (実数全体の集合)Rの任意の元k(スカラー)に対して、ka ∈V

(空ではない)集合Vが、次の1~8の性質を満たす時、VをR上のベクトル空間という


1~4
・和に関する公理

5~8
・スカラー倍に関する公理

1.ベクトル加法の結合律
(a + b) + c = a + (b + c)

2.ベクトル加法の可換律
a + b = b + a

3.ベクトル加法単位元の存在
ある 0 ∈V が存在して、任意の a ∈V に対して a + 0 = a
・単位元 … 演算をして効果を残さないもの
・0ベクトル(0元と呼ばれる)が集合の中に存在する
・「任意のベクトルをとってきてベクトル加法をしても何も効果なし」が集合の中に存在する

4.ベクトル加法逆元の存在
任意の元 a ∈V に対して a + x = 0 となる x ∈V が存在
・逆元 … 作用させると単位元になるもの

5.ベクトル加法に対するスカラー乗法の分配律
k(a + b)  = ka + kb

6.体の加法に対するスカラー乗法の分配律
(k + l)a  = ka + la
・体 … ここでは実数。集合Rのこと
・左辺 … 実数同士の足し算をとってからスカラー乗法する
・右辺 … それぞれスカラー乗法したものの和を取る
・左辺の+ … 普通の足し算
・右辺の+ … ベクトル同士の足し算

7.体の乗法とスカラー乗法の両立条件
k(la) = (kl)a

7.スカラー乗法単位元の存在
1a = a