ベクトル空間とは?
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投稿日:2018-08-06
更新日:2018-08-30
表記
英語
・vector space
ベクトルと呼ばれる元からなる集まりの成す数学的構造
足し算とスカラー倍ができるような集合のこと
「ベクトル空間」の元
集合の要素のこと
・ベクトルと呼ぶ
・高校数学で学習したベクトル(幾何ベクトル)も含む
同義語
線型空間(せんけいくうかん、linear space)
・ベクトル空間 と 線形空間 では何が異なるのですか?
ベクトル空間の公理
集合 V に対して次の演算を導入する
ベクトル加法
・Vの任意の元a、bに対して、a+b ∈V
スカラー乗法
・ Vの任意の元a と (実数全体の集合)Rの任意の元k(スカラー)に対して、ka ∈V
(空ではない)集合Vが、次の1~8の性質を満たす時、VをR上のベクトル空間という
1~4
・和に関する公理
5~8
・スカラー倍に関する公理
1.ベクトル加法の結合律
(a + b) + c = a + (b + c)
2.ベクトル加法の可換律
a + b = b + a
3.ベクトル加法単位元の存在
ある 0 ∈V が存在して、任意の a ∈V に対して a + 0 = a
・単位元 … 演算をして効果を残さないもの・0ベクトル(0元と呼ばれる)が集合の中に存在する
・「任意のベクトルをとってきてベクトル加法をしても何も効果なし」が集合の中に存在する
4.ベクトル加法逆元の存在
任意の元 a ∈V に対して a + x = 0 となる x ∈V が存在
・逆元 … 作用させると単位元になるもの5.ベクトル加法に対するスカラー乗法の分配律
k(a + b) = ka + kb
6.体の加法に対するスカラー乗法の分配律
(k + l)a = ka + la
・体 … ここでは実数。集合Rのこと・左辺 … 実数同士の足し算をとってからスカラー乗法する
・右辺 … それぞれスカラー乗法したものの和を取る
・左辺の+ … 普通の足し算
・右辺の+ … ベクトル同士の足し算
7.体の乗法とスカラー乗法の両立条件
k(la) = (kl)a
7.スカラー乗法単位元の存在
1a = a
考え方 / Link
考え方
本来はベクトルの集合そのものを「ベクトル空間」と言うが、空間にベクトルがある、と幾何学的に捉えた方が理解しやすい
n次元ベクトル空間
ベクトルの次元がnでその成分が全て実数の時、「n次元(実)ベクトル空間(n-dimensional real vector space)」と言う
・「Rⁿ」と書く
R²
xy平面と対応
・ごく普通の平面
・通常のユークリッド幾何学が成立
R³
xyz空間と対応
Rⁿ
通常の平面をn次元まで拡張したものに相当
・n次元に拡張したユークリッド幾何学が成立
※但しnが4以上の場合は、それを2次元の平面上にグラフ表示することはもちろん、頭の中でイメージすることさえ難しい
Link
・ベクトル空間[n次元ver]
・http://user.numazu-ct.ac.jp/~endoh/math/kadai/axiom-vector-sp.pdf