偏微分とは?
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投稿日:2018-01-20
更新日:2018-08-11
表記
平仮名
・へんびぶん
英語
・partial derivative
「変数が2つ以上の関数」に対して「1つの変数」だけ微分すること
偏った微分
・部分的に微分する
「多変数関数」を「特定の文字以外定数」とみなして微分すること
・一つの変数だけを本当の変数と考え、残りの n − 1 個の変数は定数とみなす考え方
・微分する以外の変数は全微分の定数のような扱いで良い
・「多変数関数」に対して「一つの変数」のみに関する(それ以外の変数は定数として固定する)微分
・「多変数関数」の「一つの変数」だけに注目して行う微分であり、残りの変数についてはあたかも定数であるかのように考え普通の微分と同じように計算する
使用場面
・「ベクトル解析」や「微分幾何学」などで用いられる
対義語
「全微分」もしくは「常微分」
・全ての変数を動かしたままにする
※普通の微分のことを偏微分と区別するために「全微分」もしくは「常微分」と呼ぶことがある
微分と偏微分
共通点
何れも同じ微分
・「変数それぞれの極小の世界における傾き」を示す
比較一覧
接平面とは?
・「ある2変数関数が表している曲面」に接する平面
一覧表
- | 微分 | 偏微分 |
---|---|---|
関数の変数の数 | 1つ | 2つ(複数) |
関数 | 1変数関数 | 2(多)変数関数 |
式 | y = ax +b | z = ax + by +c |
一般的な式 | y = f(x) | z = f(x,y) |
一般的な式の意味 | xy平面上の「直線」や「曲線」。つまり「線」 | xyz3次元空間に浮かぶ「平面」や「曲面」。つまり「面」 |
微分偏微分の意味 | 1変数関数f(x)の「傾きをあらわす」 | 2変数関数f(x, y)の「接平面の傾きをあらわす」 |
微分
1 変数関数
・変数は1つ
y = ax +b
※yは変数ではなく、変数xによって決まる「関数」という扱いxy平面上の直線や曲線
y = f(x)
※ f(x) の(x) は,それが「xの関数」ということを示している関係性
・xが決まると、yが決まる
偏微分
2変数関数
・変数は複数
z = ax + by +c
※変数が3つあるよううに見えるが、本当の変数はxとyの2つだけxyz3次元空間に浮かぶ平面や曲面といった「面」
z = f (x, y)
書式
・全微分と区別するために、微分の d を∂ (ディーともラウンドとも読む)という記号に変えて以下のように表わす
y=f(x₁,x₂ … xₙ)
↓
∂y/∂x₁,∂y/∂x₂ … ∂/xₙ
微分及び偏微分の意味
- | 微分 | 偏微分 |
---|---|---|
式 | y = ax +b | z = ax + by +c |
一般的な式 | y=f(x) | z = f (x, y) |
一般的な式の意味 | xy平面上の直線や曲線 | xyz3次元空間に浮かぶ平面や曲面といった「面」 |
微分偏微分の意味 | 1変数関数f(x)の「傾きをあらわす」 | 2変数関数f(x, y)の「接平面の傾きをあらわす」 |
意味の詳細 | 変数xが変化したときの、関数yの変化をあらわす式 ・xが変化したとき、yがどれぐらい変化するか ・xを「ちょっとだけ」動かしたときの関数yの変化をあらわす式 |
変数xかyの何れかひとつだけが変化したときの、関数zの変化をあらわす式 ・xもしくはyが変化したとき、zがどれぐらい変化するか ・xもしくはyを「ちょっとだけ」動かしたときの関数zの変化をあらわす式 |
偏微分記号「∂」/ x³y² を x について偏微分 / x³y² を y について偏微分 /x³y² を z について偏微分
偏微分記号「∂」
ギリシャ文字の「デルタ」(小文字)
決まった読み方はない
・人によって読み方が異なる
・ラウンド
・パーシャルディー
・ラウンドディー
・デル
・ディー
・デー
・TeXでは、\pertialで表示できるので、パーシャルと呼ぶこともある
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
∂ | U+2202 | 1-2-63 | ∂ ∂ ∂ |
デル、ラウンドディー |
x³y² を x について偏微分
x以外を定数とみなす
・xだけを変数として微分する
x³y² を y について偏微分
y以外を定数とみなす
・yだけを変数として微分する
x³y² を z について偏微分
z以外を定数とみなす
・zだけを変数として微分する
※zは含まれていない